目指すは全国で総合を競える鯉
オークションにも力を入れて
―今後目指すところや、目標などがあれば教えてください。
隆治 やっぱり自家産で1m超えの鯉を作りたいですよね。そして全国で全体総合ノミネートに上がるような、そこで阪井さんたちと並べられるような鯉を……。そういうサイズや体の鯉ですね。うちは野池ででかくできるので、強みとしてはそこだと思っています。でっかくして、品評会で良いところにいけるような鯉ができれば。
―今まで、そこに近づいたと感じたような手応えのあった魚はいますか?
隆治 四国(写真④)で全体総合を取った昭和は、うちで最終的に90㎝は超えたかな。
―これはどういう筋なんですか。
隆治 親は右田さんですね。「金峰山」という名前の。これは阪井さんに行って親になりました。健太郎さんのお眼鏡にかなうじゃないけど、「ようできてるなぁ」と言ってもらえたのは嬉しかったですね。

―それに続く鯉ができそうな雰囲気はありますか。
隆治 WNCのオークションに出したようなやつとか、あれらもまあまあ良いところまで来てると思うので、ああいうのをコンスタントに毎年作っていければ……。
―オークションにはどんな鯉を出したんですか。
隆治 三色2本、からし2本、それとシルバーです。
―良い評価だった?
隆治 そうですね。ありがたいことに健太郎さんのご厚意で、今は阪井さんのオークションに出品させてもらえるし(※)、WNCのオークションにも。うちみたいなところは単独開催はできないので、そういうところでいろんな人の目に触れて、評価してもらえるのはありがたいことです。
(※)牡丹大賞は阪井養魚場作出で、当歳時に別府養魚場が購入し同場の野池で飼育。その後阪井養魚場のオークションに出品しThai Nippon Fish Farmが落札した。

―鯉屋がたくさんある新潟や広島と違って、四国のこの場所は地理的なハンデがあると思いますが、それについてはどう考えていますか。
隆治 広島からうちに行こうと思ったら車で3時間、鯉を見て帰るとなると一日仕事です。お客さんからしてみれば、わざわざ行くからには良い魚、利益につながる魚を仕入れたいし、こっちとしてもそういう魚を作りたいと思っています。
―そのためにも、オークションで評価を高めることは重要ですね。
隆治 はい。評価してもらって、そこに金額がついてくるとやりがいも出るし。せっかくそういう機会、場所があるので、今後も継続していきたいですね。先輩たちがああいう会(WNC)を発足させてくれたので、こっちもできる限りついていって。
―今後毎年開催するでしょうから、そこが一つの目標になってくる?
隆治 そうですね。その年の出来の良い鯉を出して、皆さんに見てもらって評価してもらえれば。
―恵まれた野池に加えて、新しい泉水池を作る場所も確保してあるとお聞きしたので、これからの別府さんの鯉作りがますます楽しみになってきました。四国から全国への飛躍を期待しています。

