SNS活用で錦鯉の魅力発信
気軽に飼える提案と提供を
―丸筑魚苑ではインスタグラムやユーチューブで積極的に動画を配信していますが、始められたきっかけというのは。
瑛士 僕が2022年にインスタのアカウントを作ったんですけど、とりあえず作ったみたいな感じでそんなに投稿もせずに1年ぐらいやっていたところ、妻が前職をやめてうちに入ってくれるということで、そのタイミングでSNSも頑張ってやっていこうと。
小西玲那 ある時、愛好家さんがうちの鯉を品評会で見て、動画に撮ってユーチューブに投稿していたんですね。それをお義父さんが喜んでほかのお客さんに何回も見せていたので、それだったら私でも作れるのではないかと思ったのがきっかけで、まずはやってみるかという感じで始めたのがスタートになります。
―当時は鯉屋でやっている人はあまりいなかったのでは。
瑛士 動画であれば山形の塩田さんが一番早いと思いますけど、インスタは鯉屋というよりかJPDさんとかメーカーがやっていたような感じでしたね。鯉屋さんはフェイスブックメインにやられている方が多いですが、もっと若い世代の人に見てもらえるようにインスタのほうを頑張ってやっている中で、フォロワー1万人を目指そうとか、そういった目標が出てきたりして。
―投稿内容などういったものを?
瑛士 一番最初は日々の作業風景を撮った短い動画から始まって、品評会の情報とか商品の宣伝とかを。品評会とかでも生産者にインタビューしたものが結構好評だったりして、結果的に業界の盛り上がりにつながればいいかなとは思ってやっています。
―ある動画が210万回再生されたとかで?
瑛士 サメの動画ですね(笑)。
―サメの?
瑛士 野池ですきのこした鯉を網ですくうという10秒ちょっとの動画なんですけど、意外と適当な動画が再生数伸びたりするんですよね(笑)。
一番多いので511万回再生で、それはこいこいアクアというろ過フィルターの動画なんですけど、こういうふうに見せたほうが良いとか、こういうふうに喋ったほうが良いとか企画は妻がやってくれています。
健治 二人三脚でやってくれています。
―そういった情報を発信することで、集客にもつながっているわけですよね。
瑛士 そうですね。いつのまにか始まったわけですけど、それが結果的に新規のお客さんに来てもらえるきっかけになっていると思います。
―先ほど「こいこいアクア」という話がありましたが、これはどういった商品になりますか?
瑛士 手動の湧清水と考えていただければわかりやすいかと思います。ハンドルを回せば手を汚さずにフィルター内部の汚れを綺麗にすることができます。一般的なろ過フィルターは中身のろ材を取り出して洗わないといけませんが、結局そういった作業がおっくうになってしまうと「まだやらなくていいかな」と、気付いたときには水が悪くなって病気になってしまうことがあるので。これはハンドルを回すだけなので30秒とか1分ぐらいでできてしまうから、メンテナンスはすごく楽になります。

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フィルター。上部のハンドルを回すだけで洗浄することができる
―それは便利ですね。
健治 本当は湧清水が良いんだけど、入門にはちょっとハードルが高すぎるわけですよね。水槽だったらあんまり数が入れられないから、INTEXの四角いプールに、このこいこいアクアをつけてあげれば気軽に飼えるんです。
例えばゴルフを始めようと思っても、スパイクからクラブまで揃えたら10万ぐらいかかりますけど、そんな感じでまずとりあえずやってみなよと。
瑛士 今はINTEXプールで飼っている人が多いので、それが2、3万としてそこにこいこいアクアが5万円前後で、それにポンプとか買ったらだいたい10万円ぐらいで一式揃えることができます。車一台分のスペースは必要ですが、それなりに大きい鯉であったり、匹数を飼えるので、そういった飼い方もおすすめしています。
健治 まずは何かしらの取っ掛かりを作らないとね。もっとこうしたいとか必ず出てくるので、そう思ったときにもやりやすいように。
瑛士 プールであれば場所の移動もできますし、こいこいアクアは持ち運びが便利ですので。うちは湧清水の代理店なのでそれも積極的に売りたいんですけど、人によって飼い方は変わってくるからそれぞれの人にあった提案をできるようにしています。
―錦鯉を飼う人が無理せず、かつ最大限楽しめるような手段を提案してくれることはありがたいですね。
瑛士 湧清水を設置すれば、あとは餌をあげるだけでいいですが、やはり金額面でも場所の面でも設置が大変ですし、水槽には使えませんので。うちのお客さんでも90㎝や120㎝の水槽でこいこいアクアを使っている方は多いですし、すごくリアクションも良かったので、現在第2弾を11月から販売させてもらっています。
―こいこいアクアは何種類かあるんですか。
瑛士 通常タイプとミニタイプがあります。だいたい水量が2トンから3トンぐらいであればミニタイプで、通常タイプは単体の仕様で5トンまでと説明していますが、実際は10トンあっても効力を発揮しますし、別途濾過槽があれば15トンぐらいまでは使うことができます。ポンプは各々で揃えてもらうので、水槽で使うのであれば小さいポンプにすればいいだけで。
―生物濾過層がなくても、これだけでいいんですか?
瑛士 基本的にはこのスポンジの物理濾過でほぼほぼ大丈夫です。ですが、僕らがおすすめしているのは濾過槽との併用で、こいこいアクアを通した水を既存の濾過槽に入れてあげることで、濾過槽自体の掃除の頻度を減らすことができます。
―フィルターはどれぐらい使えるものでしょうか。
瑛士 だいたい半年から1年ぐらい、使い方によっては2年ぐらいは持ちます。湧清水もそうですが、頻繁に撹拌すればその分消耗してしまいます。
