五十嵐養鯉場・五十嵐 俊将さん(新潟)

新たな黄色系変わり鯉誕生

五色の可能性を広げる
「黄色い五色」玉兎(たまうさぎ)〈後編〉

 近年では新潟県内水面水産試験場が「黄色系御三家」を発表するなど、変わり鯉を作る生産者のなかでも黄色系の錦鯉の作出に取り組む人が増えている。

 そんななかで新潟県長岡市の五十嵐養鯉場は、その最先端を行っていると言っても過言ではない。

 誰も作らない鯉を作る「すきま産業」と話す五十嵐俊将さんに、新たな黄色系変わり鯉である「玉兎」の誕生秘話を聞いた。

改良には西日本のからし鯉を

銀鱗との相性抜群で銀吹き◎

―玉兎の大元はからし鯉になりますが、品種改良においてからし鯉という品種は使いやすいんですか?

五十嵐 たぶん血の濃いもの、元々のからし鯉はやりづらいと思うんですが、例えば阪井さん(㈱阪井養魚場/広島)はからし鯉に紅白を掛けたりしているんですよね。

 小西さんは茶鯉を掛けたりもしていますが、純粋な茶鯉かといったらそうではなくて、親に使っている茶鯉を見せてもらうとチョコレート色をしているから、たぶん落ち葉や紅白が掛かっているのではないかと。

銀鱗玉兎/2歳メス。五色の血がよく出ているため赤みが強いという