日出美 でも、農業祭のときに愛好家さんがプールを見て「あ、これ玉浦の鯉だ」と言っていたんですよね。なにか特徴があるんだと思うんだけど、そういった声を何回も聞いているので何かあるんでしょうね。
玉浦 何を根拠に言っているかわからないけどね(笑)。
―測れない魅力があるのでしょうね。
日出美 私はここに嫁いできたときに見た、きれいな紅白のイメージが強く残っていて、素人が見ても惹かれるような魅力があったんですよね。私はそういった鯉を作って欲しいと思っています。
―とおっしゃっていますが、いかがですか。
玉浦 ……難しいよね(笑)。
―42年のなかで紅白を入れたりと様々な改良をしてきましたが、理想とする鯉には近づいていますか?
玉浦 墨が思うようにならないという面は今でもあるけど、そのなかでも良い鯉ができていると思います。
―ではこれからは墨の改良を?
玉浦 それとボリュームですね。ボリュームも並ぐらいにはなってきたと思うから、もうちょっとかな。細い細いと言われたときに比べて、その基準の上にはあがってこれたのではと思います。
今は当歳、2歳を少しずつ確立していって今度は3歳。その途中だから、サイズが大きくなるような鯉というところまでは、まだいけてないですが。
國則 まずは2歳サイズで、勝負の土俵にあがれるところを目指して。今の話が反映されているのが、今年の若鯉で国魚賞を取った三色(写真②)だと思います。このサイズ感だと幅もないとだめですからね。
―それらの取り組みの結果が、こういった形で表れてきたわけで。
玉浦 同い年の三色も昨年の農業祭で60部総合(写真⑦)と成鯉総合(写真⑧)になったりと、このときのあがりはここ数年のうちでもダントツでした。
―それぞれタイプが違いますが、玉浦さんのイメージに近いものは?
玉浦 60部のかな。これではまだ物足りないんだけどね。成鯉の三色に、60部のような墨の形がついているようなイメージです。壮鯉総合(写真⑨)なんかは、紅が勝ってしまっていますよね。墨は少ないながらも出てる墨は良いんだけど。
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壮鯉の部総合優勝 70部
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成鯉の部総合優勝 50部
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60部総合優勝
―オス親はどういったポイントを見て選んでいるのでしょうか。
玉浦 オス親に関しては選ぶ余地がないことも結構あります。そもそもいっぱい取っておいているわけでもないですし。ですが、その中でやっぱり体高は気にします。あとは墨の付き方。墨質がいいに越したことはないんだろうけど、墨がどこに付くかによってえらい違いますから。
