阪井系統に松江で国魚賞紅白を
昭和は数少ないが確実なものに
―紅白も阪井系統ですか?
玉浦 以前まではそうでしたね。若鯉と幼魚で国魚賞(写真①)に入ったのは、松江さんのメスで採った紅白になります。うちはずっと阪井系統でやってきたんですけど、松江さんので採ったのが去年3歳であがってきたから、4年ぐらい前からそっちの系統も入れながら作っています。
―それはやはり体型の改良を?
玉浦 そうですね。コイヘルペスや穴あきで騒がれたときに、しばらく親鯉を入れられない期間がありまして、もう掛け合わせのしようがないというぐらい、系統がみんな近いことになってしまったんですよね。ですので、そのへんからまた新たに親を入れだしてからは、少しずつ良くなって。だけど紅白はよくわからない(笑)。
國則 大手があれだけいっぱい作っているから、いかに特色を出して立ち向かっていけるか。
―やはり紅白は全国で作られていますし、力を入れているところは多いですよね。昭和はいかがでしょうか。近年では幼魚品評会の国魚賞や全日本・若鯉で雅賞(写真⑩)を受賞したりもしていますが。
玉浦 去年は1腹良かったので、今年の2歳なんかはかなり良いと思います。ですが、これという親がまともに孵化しなかったりで、ここ何年か思ったように子供が採れないというのが続いていまして。
―昭和はどういった系統になりますか?
玉浦 昔に阪井さんが作っていた昭和に、たしか大日のオスを掛けたのかな。それで、その子をメス親にして今度は伊佐さんのオスを掛けて。それで2年ぐらいは採れていたんだけど、そっからまともに孵化しなくなってしまって。
國則 冬場の水温など、管理面で考えられるものはいろいろやっているんですけどなかなか。
―そういった場合は、採る時期を変えたりもするんですか。例えば一毛作目から二毛作目に変えたりと?
玉浦 うちは昭和は一毛作目でしかしないんですよ。
―それはどうしてですか。あまり数がいらないから?
玉浦 いらないというよりかはスケジュール的に、二毛作、三毛作目だと他の選別が忙しくて黒仔選別どころではないとういうか。
國則 一次選別の忙しいときに、二毛作目をセッティングするんだけど、そのタイミングで黒子選別をやっている暇がないんですよね。
―なるほど。人手の都合があるわけですか。
玉浦 それと、一毛作目のほうが模様が出るような気もしてね。同じ模様なのかもしれないけど、夏と春先では見える姿が違うんですよね。
國則 それと二毛作目で採るのをやめた理由がありまして、二毛作目は時期的に暑いから、黒仔選別をして夕方ぐらいに放したらいいことにならなかったので。忙しい時期に黒仔選別をして、それを放しても結局いいことにならない。それが最後にやめた理由の一番かな。
うちは結構そういったスケジュール面で決まることがあるので、もしかしたらそれを掘り返してみれば変わってくるかもしれないけど、ここ数年はもう決まっていますね。紅白も二毛作目とかはやめましたから。
―そうすると、二毛作目と三毛作目は三色のみということですか。
玉浦 それと孔雀を1腹。孔雀はずっと好きだったので最後に1腹だけ(笑)。昔に山田の孔雀というのがいたんですが、系統的にはその末裔みたいな感じで、型付きというよりかは光り具合がちょうど良くて。今はそれに面迫さんのオスを掛けたりしてやっていますが、だんだん孔雀の面積も減ってきているかな。
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取扱/成田養魚園㈱ 取次/海港錦鯉集団