ブリーダーズインタビュー
㈲松江錦鯉センター 飯塚敬浩さん・裕晃さん(島根)
目指すは「新しい松江紅白」
まだ見ぬ景色に向かって〈後編〉
「仙助」という系統名は、松江錦鯉センターの代名詞として大きな存在であり続けてきた。しかし近年は、飯塚敬浩社長、裕晃専務を中心に、その枠にとどまらない鯉作りを進めている。目指すのは唯一無二の「松江紅白」だ。
全国レベルでの実績を積み上げていく中で、7〜8年前に親鯉のラインナップを一新。より高く設定した目標の頂点は全日本のトップだ。「可能性がある限り、そこが最大の目標」と話す裕晃専務。特に近年は自家産の親鯉比率を高め、本気でチャンピオンを取りにいくための環境が整いつつある。2008年12月号以来となる16年ぶりのインタビューは、「松江紅白」にかける熱い想いが端々に感じられるものだった。(取材/8月24日)
雪蓮と白桃の筋が今後の中心
可能性がある限りトップが目標
―雪蓮と並ぶ主力系統である「白桃」という親はどのような筋ですか?
飯塚裕 「春花」の子供に「桃花」という鯉がいて、桃花の子供が白桃です。なので「玉鱗」の流れということになりますね。
―春花というのは前世代の最後あたりの親ということでしたね。その孫が白桃であると。
飯塚裕 そうです。今年の当歳も白桃の筋は多いです。今使っている親の中では、どちらかというと古い流れを引いていますね。今年は白桃の子供を何本かオス親として使用したので、また新しい血が入っています。雪蓮の子供に白桃の流れをぶつけて、新しいパターンができつつあります。それらはすごく成長が早いんですよ。ただ、完成度がまだ足りない部分があるので、良いところを残しつつ、もう一回り太くなる魚を目指してやっている最中です。