―全日本で国魚賞をとった昭和(写真①〜③)は、かなりインパクトがありましたね。親には大日系を?
坂牧 だいたいオスかメスどちらか片方はだいたい大日さんなので、昭和だったらそこに伊佐さん(㈱伊佐養鯉場)であったり、今年は関口さん(関口養鯉場)の親をかけたりして。紅白も大日さんのメスに、阪井さん(㈱阪井養魚場)や桃太郎さん(岡山桃太郎鯉)のオスを使ったり、もしくはその逆の組み合わせだったりで。



―自家産どうしではあまり採らないんですか。
坂牧 自家産の親はまだまだだと思っていて、すごく良いと思うものはなかなかいないので使うにしてもたまに……メインはやっぱり大手の系統同士で採ることが多いです。そのなかで、少しずつ自分の系統を確立していければとは思います。
―毎年固定した親というよりかは、色々な組み合わせで採っていると。
坂牧 うちはほぼ固定させていないです。例えその組み合わせで多少良いのができていても、もっと良くなるんじゃないかと思ったりして、絶対ではないですけど、その時に一番良いオスだと思うものをかけるようにしています。
―大日さんで修業されていただけあって、やはり大型化を目指していきたいわけですか。
坂牧 卒業した当時は大型化をやってみたかったんですけど、最近は大型化より2歳、3歳で綺麗になるもののほうがいいと思っていて。親はそこそこ大きいものを使っていますけど、決まりが早いほうがいいかなと。
―それは品評会を意識して?
坂牧 もちろんそれもありますし、売りやすいというところが一番大きいです。最近はみんな大きな鯉をたくさん持たなくなってきてますよね。国内でも海外でも、あまり売れにくくなってきていますので。

国魚賞 27部 昭和三色/Yusuf Atmajaya
取扱/成田養魚園㈱ 取次/Samurai Koi Centre
―現在は輸出が大部分を占めていますが、坂牧さんは国内のお客さんも多いんですか。
坂牧 うちは国内の業者、金太郎さんであったり仙助さん(㈱仙助)や鯉牧場さんのお客さんに発送することも多いので、3歳で70㎝とかにしてしまうと、送る方法がなくなってしまうので。
今は当歳が主流ですけど、昔は当歳なんてほとんど売らなかったですよ。中羽をちょこっと売るぐらいで、ほとんど立てて2歳になってから本格的に売るみたいな。
―近年は中羽が売れにくいという話をよく聞きますが。
坂牧 特に中羽の下は売れ行きが悪いので、少し厳しく選別するようにはしています。特に今年は生産量を増やそうと思っているので、稚魚はそこそこ多めにして、大きい池で10万尾ぐらい放して。最近は紅白の出来が悪いので、紅白の池だけ少し混ませて、できるだけ率を上げられるように。
―二毛作は?
坂牧 毎年ほとんどやっていないような感じでしたけど、今年はもうちょっとできるように考えています。