新幹線で錦鯉を東京駅に輸送

展示と体験で魅力をアピール

 新潟県小千谷市は3月20日㈷、JR東日本が提供する新幹線や特急列車を使った輸送サービス「はこビュン」を活用し、長岡駅から東京駅に錦鯉の輸送を行った。
 新幹線で錦鯉を県外へ運ぶのは今回が初の試みだそうで、輸送の主流となっているトラックに比べ約半分の時間と少ない振動で運べることから、錦鯉への負担軽減が期待できるという。

右から新潟県小千谷市の山口良信副市長、JR東日本新潟支社の白山弘子支社長と同支社地域共創部の和田佳史部長

 長岡駅より積み込まれた錦鯉は、小千谷市錦鯉漁業協同組合から提供された体長25㎝ほどの御三家や光りもの5匹のほか、10㎝ほどのミックス100匹で、それぞれ専用の発泡スチロールと袋でしっかりと梱包され、約1時間40分で東京駅に到着した。
 到着した錦鯉は駅構内にある「JAPAN RAIL CAFE TOKYO」の一角に設けられた特設水槽に展示され、輸送による錦鯉への負担はほとんど感じられず、到着早々元気に泳ぐ姿を披露していた。
 出席した小千谷市の山口良信副市長や、JR東日本新潟支社・地域共創部の和田佳史部長は挨拶の中で、本取り組みの成功と今後のさらなる事業の発展に期待していきたいと話していた。

到着した錦鯉を取り扱う㈱吉田観賞魚販売のスタッフ
水槽で元気に泳ぐ御三家や光りもの
東京駅構内にあるジャパンレールカフェの一角に水槽とブースを出展

 この日は、再開発が進む東京駅前常盤橋エリアにあるTOKYO TORCH Parkで「TOKYO TORCH 桜まつり」が開催。出展した小千谷市のブースでは、新幹線で輸送された100匹の錦鯉を使った「錦鯉すくい」が行われ、大人から子どもまで一生懸命掬う姿が見られるなど大盛況となった。
 今回の取り組みについて小千谷市の杵淵雅史副参事は「錦鯉は海外からの人気が高く、魅力をさらに広く知ってもらいインバウンドの誘客につなげていきたい」と話した。

多くのお客で賑う「TOKYO TORCH 桜まつり」
大盛況となった「錦鯉すくい」

 錦鯉水槽は4日間に渡り展示され、毎日100万人以上が利用すると言われる東京駅において、数多くの観光客の目を楽しませていた。
 新潟県小千谷市では国内外へ向けた錦鯉のPR活動に力を入れており、各品評会やイベントへの出展、県外施設への錦鯉寄贈や放流を行うなど、精力的な普及活動を通して錦鯉の魅力を発信し続けている。