系統多様化の過程で新品種も

今後は効率良く多品種生産へ

―ドイツ五色以外に五色の派生品種として、2023年の若鯉品評会で種別優秀賞を取ったメタリック銀鱗五色(写真⑧)がいますが、あれはどういった組み合わせから?
青木 あれは桜黄金タイプの孔雀に銀鱗の五色からできたものです。銀鱗の紅銀河(写真⑨)も作っているので、見た目が似ている2種類を作ると被ってしまうから、毎年どっちを採ろうかチョイスするんです。
―なぜ見た目が似ている品種を採っているんですか。
青木 これ(写真⑧)は5、6年前にたまたまできたもので、狙って採ったわけではなかったんです。

ドイツ五色・3歳49㎝

⑧/メタリック銀鱗五色
第39回錦鯉全国若鯉(2023年)

種別優秀賞
⑨/銀鱗紅銀河
第1回関西地区幼魚(2022年)

25部皐月賞
紅銀河
第50回全日本総合(2019年)

35部桜賞

―孔雀と銀鱗五色の組み合わせで他の狙いがあったわけですか?
青木 それはやっぱり血を遠くするのと、新たな銀鱗ができることによってその銀鱗をいろいろな品種に使えるように。血を離す作業の中から出てきたという感じで、この鯉は孔雀をベースに銀鱗五色の銀鱗が乗って、それぞれの親の特徴をうまく引き継いでくれた理想形ですね。こういったのがいっぱいできればいいんだけど、まだまだ量産できるものではないです。
―次なる一手は銀鱗ですか。
青木 そうですね。銀鱗系を生産していくと、そこからまた違うものを生み出すための工程が出てくると思うから、親として使っていけるようなものもできてくるのではないかと期待しています。
 うちは五色に銀鱗五色、ドイツ五色と五色系が3種類いるので、同じ年に作るのはなるべく2種類にしています。自分が何を採りたいかだけではなくて、販売を考えるとバランス良く作らないといけないので。
―池に気になる鯉が泳いでいるんですけど、これ(写真⑩)は赤松葉ですか?
青木 それは「黒角(くろかど)五色」という鯉で、五色からこういった鯉が出るんですよ。当歳の段階から鱗が逆目のものを残しておいたら、オーナフィッシュのJeroenさんがこれは珍しいということで、試しに立ててみたところから始まりました。ちなみに黒角五色という名前もJeroenさんが名付けまして。

⑩/黒角五色
⑪/黒角五色・第33回新潟オークション(2023)3歳50㎝

―五色からこんな鯉が出るんですね。
青木 選別の段階で赤無地が出るんですけど、地体が真っ赤なものを残してそこから黒角みたいな逆目が出たものを残しています。これを親にして採っているわけではなく、毎年ある程度五色から出るんですよね。
―普通の鱗目ではなく、逆目が出やすいんですか。
青木 そうなんです。それはうちの組み合わせだから出てくるのか、一般的に五色を組み合わせて出てくるものなのか正直わからないです。―生産を始めたのは最近ですか?
青木 2023年秋の新潟オークションに3歳で出したのが初代なので、2018年頃ですかね。そこからあえて残すように。ただ、この鯉はちょっとぶつかっただけで黒く傷みたいになってしまうから、気をつけないといけないんです。
―さまざまな変わり鯉で楽しませてくれるあおきやさんですが、次なる挑戦は?
青木 最近は安定路線で採ってしまっていて、本命の採らないといけない品種で池が埋まってしまいます。
青木 いろいろな品種への挑戦もやりたいんだけど、稚魚池の面数も人も限られるからそこまでいかずに終わってしまいます。採り方を工夫し、チャレンジできればと考えています。
 ただ、チャレンジしすぎて本命がおろそかになってしまっては意味がないので、難しいところではありますが「あおきやらしい鯉」を目指して頑張っていきます。
―変わり鯉ファンを魅了する「変わり鯉の魔術師」の、次なる手にぜひ期待しています。