ブリーダーズインタビュー かんの養鯉場(新潟県・山古志虫亀)
ツヤある紅を目指すトップランナー
五色に続く二本、三本柱も視野に〈前編〉
品質の向上が著しい五色において、その生産者筆頭格にかんの養鯉場を挙げる声は多い。全国大会での活躍ぶりは高評価にふさわしいものだ。
紅白とは違う独特の蛍光紅、青みがかった黒地と、その奥に浮かび上がる網目、さらには金属的な光りをもつものまで、あらゆる魅力で五色ファンを楽しませてくれる。数多のライバルの先を行くために、「ただ赤く、黒いだけではなく、ツヤのある紅を」と熱く語る平沢和寛さん。メインの五色に続く「柱」作りについても聞いた。
主力の五色は生産面積の7割
菊水や九紋竜での入賞実績も
―産卵は1回目が終わって一段落でしょうか。(6月20日)
平沢 そうですね。2回目を始めるまでの間は、餌くれしたり除草剤を撒いたりといった細かい仕事をしています。
―順調にいっていますか。
平沢 まあまあです(笑)。最初はちょっとpHが高くて苦戦しましたけど。
―それは何が原因で?
平沢 稚魚池に石灰を撒いたあと春の天気があまり良くなくて、なかなか石灰分が取れなかったんですよ。やばいなと思いましたけど、今はどうにか。
―やっぱり毎年、何かしらのトラブルはあるものですか。
平沢 そうですね、必ず何かあります。天候によるものが多いかな。あとはミジンコが大量発生したり。
―大量すぎても良くない?
平沢 多すぎると酸欠になるので。なかなかうまくいきませんよ。
―さて、今年の全日本と全国若鯉、かんのさんの五色が大活躍でした。全日本では国魚賞が2本(①・②)、若鯉では大会総合Bの候補に上がった桜大賞(③)をはじめ、若鯉総合(①)、国魚賞(④)、桜賞2本(⑤・⑥)と椿賞の丹頂五色(⑦)、さらに種別五色(⑧)と上位入賞が7本。大きなアピールになったのでは?
平沢 お陰さまで……。成田さんをはじめ、取扱業者さんにもいろいろとお世話になりました。
―入賞鯉で特に気に入っている鯉はいますか。
平沢 桜大賞は大会総合Bを狙っていたんです。紅が綺麗な五色なので、ドナルドさんには遊び終わったら親に戻してほしいとお願いしてあります。
―五色同士の決選投票は見応えがありました。
平沢 それと58部桜賞も紅がベタッと厚くて良いんですよ。63部で止められれば来年の若鯉にも期待しているんです。
-45部国魚賞 第39回全国若鯉(2023)-若鯉総合優勝-683x1024.jpg)
第39回全国若鯉(2023) 若鯉総合優勝
-40部国魚賞-683x1024.jpg)