―難しいんですね。性質が反発するのか……。光るタイプというのは、稚魚のうちから光ってるんですか。
平沢 やっぱりちょっと光ってます。頭の骨の縁、目の上から口先にかけてのラインがちょっと光るんです。あとは手の先や背中が光ってみたり。1選じゃちょっとわからないけど、3番選別くらい……ハウスに入れる頃になれば完全にわかります。昔で言う銀棒……背筋の光りを銀棒と言うんです。だけど、そういうのを親にして採ろうとすると率が悪すぎて。
―作りやすさで言えば黒いタイプのほうが?
平沢 数はできるでしょうね。でもそれだけじゃなくて、光る地体や、青い地体の網目のあるものが欲しいという声もあるので。
―51回全日本の40部桜賞(⑮)などは青っぽい網目ですね。ただ、基本的には特定のタイプを狙った親の組み合わせにしているわけではないんですね。
平沢 そうです。水や成長過程によって変わるし。真っ黒だったものが次の年に真っ白になったりもするんだから、わからないですよね。
―同じ五色でもいろいろなタイプを。
平沢 お客さんによって好みが違いますから、それに応えられるように。
―和寛さん的には、光るタイプと黒五色ではどちらが好きですか?
平沢 個人的には、紅にツヤが乗れば地体はどちらでもいいかなと思ってます。ただ単に赤いだけではなくて、ツヤが出る紅ってなかなかできないんです。三色も紅白もそうだけど、やっぱりツヤ、テリっていうか。品評会で最後に勝ちきれるかどうかはそこなんですよ。
―壮魚総合は黒五色タイプですね。
平沢 これはうちにいたときは真っ白でした。紅白と言ってもいいくらい。でも、紅がすごく綺麗だったので桜錦鯉さんに買ってもらって、静岡の三島で飼育しているうちに真っ黒になったんです。嘘だろ……と思いましたよ。うちは水の合わないところで五色を作ってるのかな(笑)。成田さんや桜錦鯉さん、政巳(金城政巳さん/金太郎錦鯉)のところに行って良くなる。
―買う人は、そうなることがわかってるんでしょうね。
平沢 そうなんですよ。うちではなかなか真っ黒にならないんだよなぁ。だからどこを見るかというと、うちは紅しかないんです。
―じゃあ地体が白っぽくても気にならない?
平沢 全然気にしません。
(後編に続く)
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