ブリーダーズインタビュー かんの養鯉場(新潟県・山古志虫亀)
ツヤある紅を目指すトップランナー
五色に続く二本、三本柱も視野に〈後編〉
品質の向上が著しい五色において、その生産者筆頭格にかんの養鯉場を挙げる声は多い。全国大会での活躍ぶりは高評価にふさわしいものだ。
紅白とは違う独特の蛍光紅、青みがかった黒地と、その奥に浮かび上がる網目、さらには金属的な光りをもつものまで、あらゆる魅力で五色ファンを楽しませてくれる。数多のライバルの先を行くために、「ただ赤く、黒いだけではなく、ツヤのある紅を」と熱く語る平沢和寛さん。メインの五色に続く「柱」作りについても聞いた。
稚魚池80面で変わり鯉いろいろ
五色の弱点を多品種でカバー
―昔からの血筋もまだ引いているんですか? 以前のインタビューで、元親は村越五色の兄弟という話がありましたけど。
平沢 直のはさすがにいないけど、あの系統は残ってますし、今でも使ってますよ。阪井の紅花紅白を掛けた子とかも。
―五色と紅白を掛けて、改良を重ねてということですか。
平沢 そうです。やっぱり五色は体がなかなかついてこないというのが昔からあって、阪井さんからでかいメスを持ってきたりもしたんですが、五色と紅白って相性が悪いんですよ。いくら綺麗なオスを使っても、紅の中が煤だらけになっちゃう。
―そこから何代もかかって、親として使えるものが出てくると。
平沢 そうですね。他の生産者の話を聞いても、紅白を掛けたりして最初は汚かったものを、何回も何回も改良して今の形に持っていったと。

