2つのメイン池と2つのプール
やりたいことをあれこれ実践
―家の裏にはジャンボックスが2台と丸プール、INTEXプールが並べられていますが、まずはジャンボックスについて教えて下さい。
野﨑 水量はMAXまで入れると約1トン入ります。そこまで水は入れていないのでだいたい池が900Lぐらいで、それに濾過槽が100Lぐらいあるので、合わせてちょうど1トンぐらいになるようにしています。
―整理整頓がされて統一感のある池となっていますが、設備や飼育の仕方でこだわっている点は?
野﨑 まずは全体の見栄えを大事にしています。今年の5月にリニューアルをしたんですけど、それまで材質がむき出しであったり色の統一感がなかったので、容器のまわりに木枠を張ったり、鯉を見やすくするために覆っている網を水槽内と同じ黒色にしたりしました。
―たしかに網で池全体を覆っていますが鯉が見やすいですね。
野﨑 それに、今までは水中にポンプを入れていたんですけど、毎年のように鯉がぶつかって擦れたり頭に傷がついてしまったりしていたので、陸上のポンプに全て変えて、水槽内はエアレーション関連のもの以外は置かないようにしているんです。
ポンプの給水口も、もともとジャンボックスについている排水栓にパイプつけて、そこにホースを通すことで水槽内に直接入れずに底水をしっかりと引っ張ってこれるようにしています。あとは、水の淀みができないようにエアレーションは水槽内に3箇所と濾過槽内につけて。濾過槽の底からも排水できるようにしているので、汚れが滞留しづらくメンテナンスが楽になる工夫をしています。
―そんな濾過槽の仕組みを教えて下さい。
野﨑 まず1槽目は曝気と物理濾過を目的に、ブラウンマットを敷いて大きなフンを取るようにしています。直接マットを置いてしまうと汚れたものと濾材がくっついてよろしくなさそうなので、下に猫よけマットを敷いて少し隙間を作っています。
2槽目は通常のマットに猫よけを下に敷きエアレーションを吹かしてあげて、最終槽の3槽目は2槽目から落ちてきた水をしっかりと下まで循環させてから、池に戻っていくような仕組みにしています。

バイオメッシュの4つのろ材を使用。

ブラウンマットの下に猫よけを敷くことで隙間を確保

1槽目同様に猫よけを下に敷くことで隙間を確保


―2槽目の下に置いてあるボックスは?
野﨑 これは2槽目と3槽目の高さ調節のためだけに置いてあります。
―3槽目はいろいろなろ材が入っていますね。
野﨑 主に生物濾過槽として、バクテリアを定着させるためにカキ殻とリングろ材を一面に敷き、バイオスポンジとバイオメッシュを入れています。水の流れをしっかりと意識し、濾過槽内に淀みができないように、自分で調べたり鯉和さんの設備を見させてもらったりしながら、真似できるところは真似して、作れるものは自分で作るようにしています。
―丸プールの濾過槽もだいたい同じように?
野﨑 カキ殻とバイオスポンジは同じですが、そこに軽石と防犯砂利、あとは配管する時に端材として出た塩ビパイプを細かく切って、リングろ材の代用みたいな感じで入れています。
―なるほど。捨ててしまうものを有効活用しているわけですね。野﨑さんは小さく綺麗に飼うか、それとも大きくさせる飼育方法ですか?
野﨑 そんなに大きくしても設備が限られるので、50㎝か60㎝ぐらいで止められればいいかなと思っています。それぐらいであれば鯉としての迫力も出てきますので。今いる鯉たちはあと10㎝ぐらいなので、秋にどれぐらいになるか楽しみです。
―ジャンボックスと丸プールはどういった使い分けを?
野﨑 ジャンボックスは屋根があって、丸プールには屋根がないんです。なので、丸プールに御三家を入れて雨などで緋が飛ぶと嫌なので、緋が飛ばなそうな品種や緋がない品種、ジャンボックスに入りきらなかった1・5軍みたいな鯉を入れています。
―メインの鯉はジャンボックスに。
野﨑 2つあるうちの左側は、髙橋さんの三色と月刊錦鯉さんの読者プレゼントでもらった黄白の厳選した5本を入れて、右側には新潟の生産者から買った昭和や紅白を6本入れています。本当は10本ぐらい入れようかと思ったんですけど、髙橋さんに相談した時に「この水量なら5本まで」と言われて。




(後編に続く)