―金島さんが自分で野池飼育をやるようになったのはいつですか?
金島 15年ぐらい前に、同級生が使っていた野池を借りてやったのが最初です。今の場所ではなく少し離れたところで。今の場所に作った一番古い野池が12年前でして、10年前、7年前と、2、3年ごとに池を増やしていったという感じです。
 ここは一つの地主さんなんですけど、田んぼをそのままでは大きいので真ん中を埋め立てて、稚魚用と多年魚用と2つに分けて、埋めたところはトラックが通れるよう通路にして。野池は基本的に元にもどして返すというのが約束ですから、掘った土をよそに運んでしまうと大変だから、その土を使って通路を作ってしまったという感じです。自分らの先輩でも、どうせ作るなら少しでも大きくしたいといいますが、そうすると車が通れないわけですよ。作業が大変なので車で池の周りをぐるっと回れるようにして、池上げもしやすいようにしています。
―現在、野池の面数は?
金島 全部で6面あります。木更津の権次郎さんに3面を貸して、自分で2面を使って。
―そもそもなんで自分で野池を作ろうと?
金島 業者さんに鯉を預けると、どうしても1本数万円は取られるでしょ。そうすると10本預けたら毎年数十万かかってしまうから、ちょうどうちは会社で重機を扱っていたし、世話になっていた人がたまたま銚子に野池があってそれを見ていたので自分で掘ってしまおうと。当時60歳になって社長を退いたタイミングでもあったので、そうでなければなかなか仕事をしながらだとできませんよね。
―愛好家さんで野池を持っている方は結構いらっしゃるんですか。
金島 銚子は谷津田(谷状の低地にある田んぼ)が結構あるので、合わせたら30面以上はあったんじゃないかな。
―長年野池飼育をやってきて、野池の魅力や醍醐味はなんでしょうか。
金島 やっぱり鯉が太ることですかね。なかなか70㎝ぐらいになると伸びにくくはなりますけど、太りはしますから。その変化を直接目の当たりにできるのは楽しいです。
 ただ、基本的には業者さんに預けたほうがずっと楽ですよ(笑)。やっぱり池の周りの草刈りとか、管理に手間がかかりますから。年に3回は刈らないとだめですね。それに毎年池のふちを重機で固めたりと。
―本日池上げを拝見させていただきましたが、みなさんが集まって楽しそうでしたね。管理の苦労も報われるというか。
金島 今日みたいに仲間を呼んでみんなで池上げをしたりと、鯉を通じて友達が増えるのはいいですよね。いろいろな出会いがありますよ。日程が合えば近くの千葉科学大学の学生も呼んで、一緒に池上げをしたりもするんです。
 それに野池を作ることによって、会社でホタルの観賞イベントができるようになったりとか、そういった部分でも野池をやっていてよかったと思います。

第51回関東甲信地区総合錦鯉品評会
80超部オス総合優勝/大正三色
作出・取扱/マルミ養鯉場

第51回関東甲信地区総合錦鯉品評会
80部オス総合優勝/紅白
作出/㈱阪井養魚場 取扱/マルミ養鯉場

品評会は自分で運べる範囲で

大学への錦鯉寄贈で普及活動も

―金島さんは主に何歳ぐらいの錦鯉を買うことが多いですか?
金島 当歳か2歳が多いです。小さいうちから育てるほうが楽しいですし、今は鯉の値段がどんどん高くなっているから、3歳以上の良い鯉なんてなかなか手が出せませんから。若い人はなおさら気軽に買えない状況になりましたよ。大きくしてオスだとわかった鯉や少し色が飛んでしまった鯉は、千葉科学大学に寄贈したりしています。
 ただ、関東で部優勝を取った紅白はオスだったんですけど、誰しもがメスだと思うぐらい体型がすごくてね。親鯉としても使っているんです。今はオス鯉は野池に入れませんが、昔はオス専用の野池に入れていました。だからオスでもそれだけ伸びましたよ。
―オス鯉でも大きくなるのは、やはり野池があるからなんですね。
金島 今は品評会は基本的に自分で飼育した鯉を自分で搬入できるところだけにしようと思っているので、参加するのは千葉県大会が中心です。昨年の大会でも種別を2本いただきました。飼育もそうだけど、魚を持てなくなったらやめると息子たちには言っているんです。
―自家産の鯉を品評会に出したりとかは?
金島 それはないですね。だけど今年あたりに、1本ぐらい出してもいいかなとは思っています。10年ほど前に、それは買った鯉ですけど、自分で育てて千葉県大会に出した時に2番は取れましたけど、1番を狙う前に死んでしまって。やっぱり80㎝以上ないと勝負できないですからね。
―先程おっしゃっていたように近くの千葉科学大学に錦鯉を寄贈されているんですか。
金島 そうですね。16年ぐらい前から大学講内の池に錦鯉を寄贈させてもらって、ありがたいことに一昨年に感謝状と記念品をいただきまして。なので自分が元気でいる限りは続けていきたいと思います。
 それに、ウォッセ21という魚介の直売所があるんですけど、コロナ前はそこで毎年稚魚の無料配布やったり、水槽を用意して大きな鯉を泳がせたりと、愛好家を増やすための活動をしていたんですが、コロナ以降できなくなってしまって。
―地元銚子で錦鯉の愛好家を増やすため、様々な活動をされてきたわけですか。
金島 昔は8mmフィルムの撮影を趣味でやっていて、当時は「銚子8mmクラブ」というものがあったので「鯉に恋して」という作品を自分で作ったりもしていました。
 それに、息子が結婚する時に式場に水槽を置いて秋翠を入れて展示したりもしましたね。本当はそれぞれの円卓に金魚鉢を置いて稚魚を泳がせたくて、支配人からはOKが出たんだけど、うちの専務から酔っ払ってお酒を入れたりして魚が死んだら縁起が悪いだろうということで、ウェルカムコーナーに大きな水槽を置いて秋翠の展示ということで(笑)
―式場にまで錦鯉を。それはすごいですね(笑)
金島 そういういろいろな面で錦鯉を広めてきたつもりなんだけど、愛好家の拡大というところはなかなか難しいですね。自分もそろそろやめる段取りを考えなくてはいけない年齢になってきたので、後始末を考えながらも体が動くうちは錦鯉を楽しんでいきたいと思います。
―これからも銚子で錦鯉を盛り上げてくださることを期待しております。本日はありがとうございました。