松江紅白ー第3世代ー
―ここからは、現在当店の池にいる「第3世代」の魚の変化の過程を見ていきます。この鯉(⑫―A)の親鯉は「4D」といいます。4Dというのはどんな親ですか。
飯塚 「桃花」という親の子になります。桃花はうちの親鯉としては初めて1mになった親です。
―これは2歳のときはちょっと細身だったんですが、模様がいいなと思って買ってみました。ただ、親についてはノーマークでした。4Dは何年も採ってないですよね?
飯塚 1〜2年ですね。一番覆輪が巻くタイプの鯉でした。
―なるほど。そしてこれが1年後、3歳の姿です(⑫―B)。2歳時は薄かった紅が厚みが出てきました。ただ、肉はまだ入っていませんね。私はこのとき、立てても肉は入らないかなと思ったんですが、ちょっと辛抱してみようということで4歳で78㎝(⑫―C)。伸びはすごく良かったので、もう少し肉が入るといいなと思ってもう1年飼ったら結構しっかりしてきました(⑫―D)。5歳で83㎝です。あと2年ぐらいで肉が入ってくるんじゃないかなと思います。優しい感じの紅ですが、照りがあります。他の鯉とはちょっとタイプが違いますね。
⑫/4Dの子




―続いて「さつきJ2」の子になります。
飯塚 さつきJ2は阪井(養魚場)さんから導入したメスの子供です。
―結構模様の良い鯉が出る腹なんですよね。これは当歳17㎝で分けていただき(⑬―A)、翌春に31㎝まで大きくなりました(⑬―B)。野池に入れる前の姿です。そして2歳上がりで50㎝ぐらいになりました(⑬―C)。深かったサシがだいぶ締まってきています。
さらに1年後、3歳になるとかなりボリュームがついてきました(⑬―D)。このように、さつきJ2は結構ボリュームがつく鯉という印象です。
⑬/さつきJ2の子




こちらは当歳の売り出しでお買い上げいただいた鯉です(⑭―A)。現在は2歳で48㎝(⑭―B)。しっかり紅が乗ってくる鯉なので、これから立てていってもこの鯉は面白いんじゃないかと思います。
⑭/さつきJ2の子


―次の鯉は「みどり」の子です。
飯塚 これも阪井さんの系統から出た親なんですが、2年ぐらい採って死んでしまいました。子供は独特の紅をしています。
―ちょっと光沢がある感じの。
飯塚 そうそう。
―これが2歳で(⑮―A)、この紅は私も好きなんです。そして3歳64㎝(⑮―B)、4歳69㎝(⑮―C)、今5歳で73㎝になっています(⑮―D)。伸びはちょっと硬いかもしれません。
飯塚 そうですね。伸びは他の親と比べるとちょっと遅いですね。ただ、壊れる紅ではないんです。
―緋喰いなどの心配がない、安心して飼える紅です。これはこれでありだなと思います。
⑮/みどりの子



