松江紅白の将来性を読む

―ではここからは趣向を変えまして、今回松江さんから仕入れさせてもらった8本の2歳鯉をテーマに、今年野池で立てることによる変化、どのような期待が持てるかを専務に想定していただきたいと思います。
A(白桃の子)
飯塚 この鯉は大菊さんが購入される前に一回痩せました。そこから戻すのに時間がかかったんですが、その過程で胴回りの肉が一気に入ったんです。野池に入れれば後半に肉が入るなと感じながら飼育していました。それと、この鯉は紅が良いですね。
―そう、紅が良いんです。それとブリッジ、目幅が気に入って買いました。人によっては、尾止めの緋がもう少し前にあったほうがいいという意見もあると思いますが、肉が入ればそのあたりも気にならなくなる魚だと思います。
飯塚 3歳になると胴の両サイドの白地、巻き下がりが見えてくるので、尾止めの緋が後ろのほうにあってもバランスが取れてくると思います。今はあまり感じませんが、今後は白地が模様になっていきますので。

B(白桃の子)
飯塚 これは白桃の中でも雰囲気がちょっと違うタイプですね。飼い込みながらそう思っていました。あまりにも紅が綺麗で。白桃でこの紅を見るのは今までなかったなと思って、魅力を感じながら飼育していました。
―味のある鯉ですよね。模様もバランスが取れていていいと思います。体高もありますし。

C(白桃の子)
飯塚 もしかしたらこの魚が、一番変化を見せるかもと思って見ていました。サシにしても紅の感じにしても、まだ粗いんです。でも今まで白桃を飼育してきて、こういう鯉が3歳、4歳でガラッと変わってくるので。硬さを持ちながらも、綺麗にまとまっていくんじゃないかなと思います。立て鯉としての魅力をすごく感じています。

D(白桃の子)
飯塚 とても模様の良い鯉ですね。ただ、まだちょっと細身なので、今後どのような肉の入り方をするか。飼育している中では求めているラインにはならなかったので、野池タイプかなと思って見ていました。紅が柔らかいですよね。

E(白桃の子)
―これは全部の鯉を池から上げてくじ引きする前に、会長(飯塚昌一さん)から「これが一番じゃ」と言われました(笑)
飯塚 この鯉も、まだ白桃ならではの粗さがあります。これから変化が出てきますね。これを持ってくるとき、高見(和成さん)が「これが一番いいな」と言っていました。彼も白桃を知っているので、これが3歳、4歳になったらこういう雰囲気になるなというのが読めてるから、そう言ったんだと思います。