有限会社松阪製作所
魚の命を守る養殖現場の働き者
妥協なき製品作りで長寿命を
錦鯉飼育に欠かせない機材の中でも、ポンプの重要度はとりわけ高い。㈲松阪製作所のロングセラー商品「ドカポン」と「ポン太」を、松阪健三社長は「生命維持装置」に例える。故障のリスクを可能な限り減らし、「安心して長く使える製品」をモットーに、妥協のないモノ作りで40年にわたって信頼を積み重ねてきた少数精鋭の職人集団。縁の下の力持ちといえる機材類を、決して派手さはないが確かな技術で作り上げる姿勢は、その製品像と重なるものがあった。
淡水養殖の現場を幅広くカバー
多用途対応のドカポンとポン太
―御社はもともと、食用魚の養殖現場で使われる製品を開発されたのが始まりだそうですね。
松阪 養殖全般からスタートしました。ただ、例えばタイの養殖、ハマチの養殖など、海に生簀を浮かべてそこで魚を飼うような場合は、電源や使用環境の問題から機械の出番はあまりないんです。弊社の製品はウナギの養殖場とか、アユ、マスなど淡水魚を陸上で養殖しているところでお使いいただくことが多かったですね。また、ノルウェーのサケの養殖では、最初に稚魚を陸上の養殖場で作って、その後にフィヨルドの深い海に生簀を浮かべて飼うのですが、その稚魚の養殖場でも初期の頃から使っていただいています。ですから鯉も含めて、淡水養殖の現場で出番が多くなっています。
―一番最初に作った製品は何ですか?
松阪 水車の「コンドル」です。これは創業当時に企画・開発した装置です。錦鯉では野池などで使っていただく機会がありますね。淡水のアユの養殖場、ウナギの養殖場など、そういうところでは水車をたくさん使ってもらっています。
―淡水魚の養殖は密に飼いますからね。
松阪 そうなんです。100トンの水で、多いところは3トン、4トンぐらいの総重量の魚を飼ったりしますので、水車の出番が結構あります。
―松阪製作所さんといえば、毎月ご掲載いただいている広告でおなじみの、水中ポンプの「ドカポン」と「ポン太」が錦鯉業界では有名ですね。
松阪 高く水を上げるポンプではなく、「低い揚程(揚程=ポンプが汲み上げられる水の高さ)で、省電力かつ大量の水を送れるポンプを探してるんだけど、なかなか良いのがないんだよね」という声をいただいて誕生したのが、弊社のドカポンです。ポン太は「ドカポンではちょっとレンジ(範囲)が大きすぎるので、もっと少ない水のポンプが欲しい」という要望から生まれました。











