―ところでヘールトさんが最も好きな品種は何ですか?
ヘールト 最初の頃は単色の錦鯉が好きでしたが、今は御三家のなかでも紅白が最も好きで、次に大正三色が好みなので、池にはたくさんの紅白が泳いでいます。
―今年行われた第12回国際幼魚品評会で国魚賞を受賞されたのも紅白でしたね。長い錦鯉人生の中で、数多くの賞を受賞されていると思いますが、主な受賞歴を教えて下さい。
ヘールト オランダ、ベルギー、日本の主要な大会で大小さまざまな賞をいただきましたが、特に先程話した浅黄は3度のグランドチャンピオンに輝き、ベルギーの大会ではスプリームチャンピオン(最高賞)も受賞しました。それに篠田産の緋写りはオンライン全欧鯉ショーで壮魚の部総合優勝を。国際幼魚で国魚賞を取った錦鯉みやたけ産の紅白は、その前の全日本で優勝次席、若鯉で準優勝を取っていて、3度目の挑戦で大賞を受賞することができました。日本の業者さんに預けていて、まだ出品していない鯉が何匹かいるので、今後の活躍がとても楽しみです。

24部国魚賞
作出/錦鯉みやたけ 取扱/成田養魚園㈱
取次/The Koi Page Mr.Nishikigoi

TATEGOI MATURE CHAMPION
作出/大日養鯉場㈱
取扱/㈱オダカン The Koi Page

MATURE CHAMPION B
作出/㈱篠田養鯉場
取扱/The Koi Page

GRAND CHAMPION B
作出/細海養鯉場 取扱/Marks Koi
取次/大山養魚場
―長年にわたる錦鯉愛好家として、これから錦鯉を始める人にどんなアドバイスをされますか?
ヘールト 私からのアドバイスはとてもシンプルで「自分のスタイルを大切にして、焦らずに楽しむこと」です。ぜひ日本や中国の養鯉場を訪れてみてください。それは目から鱗の経験になることでしょう。本場の錦鯉とその品質を実際に見ることで視野が広がりますし、より深くこの趣味を楽しめるようになります。
―最大の夢、または目指すべく次の目標は何でしょうか。
ヘールト 錦鯉の愛好家として、究極の目標は名誉ある全日本総合錦鯉品評会で優勝することです。これはおそらく、すべての錦鯉愛好家の夢でもあるでしょう。もちろん簡単なことではありませんし、はるか遠い道のりだとわかっています。ただ、数十年前に初めて外国人が優勝するまでは、誰も外国人に優勝の栄冠がもたらされるとは想像もしていなかったと思います。しかし、それが現実になりました。ですので私は大胆に夢を見ることができるのかもしれません。いつか必ず実現したいと強く願っています。




―ヘールトさんは様々な愛好家団体に参加されているそうですね。なかでも、現在活動の幅を広げている「World Koi Federation(世界錦鯉連盟)」にも加入されたそうで、この連盟はどういった特徴がありますか?
ヘールト 私がこの連盟に加入したのは、常に新しいネットワークを広げたいと考えていたときに、同じ情熱をもつ世界中の愛好家の人たちと繋がれるのが魅力的であると感じたからです。アイディアや経験を共有できるのが、本当に素晴らしいことだと思います。
この連盟には、世界中の人々をつなげ、鯉業界の発展を促す力があると考えます。国際的なネットワークを通じて、知識の共有や交流を深めることで、錦鯉の品質と趣味の発展に大きく貢献してくれることを期待しています。
また、これまではヨーロッパとアジアは距離的な問題で、交流はそれほど頻繁ではありませんでしたが、この世界錦鯉連盟を通じて、さらに連携を強化し、お互いに協力し合えればと思っています。
―錦鯉への情熱と、日本や中国での体験、世界的なコミュニティ構築への貢献は多くの人にとって刺激になっているかと思います。今後の夢の実現を楽しみにしています。
(取材・文/WKF提供)


