熾烈を極める昭和で国魚賞
「目利き」と「飼育」で最強タッグへ
―昨年の全日本では「昭和」で国魚賞(写真②)を受賞されましたが、県内でも伊佐さんや関口さんなど大手のライバルがたくさんいるなかで、なかなか高いレベルのものを作っていくのは大変では。
坂牧 あれは成田さんのおかげです(笑)。2歳のとき(写真①)に長岡市の品評会に出して、若鯉総合を受賞してから成田さんに買ってもらって、3歳で国魚(写真②)になったんですが、2歳のときはそんなに墨も出てなく体も細かったので、最初成田さんから写真が送られてきたときに、全然印象が違っていたから「これうちの鯉なの?」と(笑)。本当にありがたいことです。

20部 紅白/飯島 紳一 取扱/金太郎錦鯉㈱
と取扱の金太郎錦鯉㈱・金城政巳さんと会場で-768x1024.jpg)
―坂牧さんの生産があってこそですが、そんな縁があったりして今の活躍につながっているわけですね。
坂牧 みなさんに良くしてもらって、賞を取らせてもらっているという感じです。
―特に金太郎さんは坂牧さんの鯉で受賞されることが多いですよね。
坂牧 もとは自分も金太郎さんも大日さんの従業員で、むこうはトヨタ店ですけど入ったのが半年ぐらいしか違わなくて、年に1回ある忘年会で新潟と愛知が集まったり、品評会とかで交流する場面は多かったので仲は良かったんです。トヨタ店を辞めて、桜錦鯉(静岡)で働いているときからちょくちょく買ってもらっていて、独立してからはかなり買ってもらうようになりました。

紅白/坂牧養鯉場

75部 紅白/坂牧養鯉場
―金太郎さんは品評会に強い業者だと思いますが、坂牧さんの広告塔としてPRにつながっていますよね。
坂牧 そうですね。だいぶ賞を取ってもらって(笑)。それに成田さんと仲が良いので、一緒に来てうちの鯉を買ってもらったりして、ありがたいことに国魚賞や幼魚総合をいただけて。
―品評会では海外愛好家が上位を占めるなかで、幼魚総合は日本のお客さんが受賞されていました。国内愛好家にとっていい影響かと思いますが、幼魚総合の紅白はどういった経緯で販売を?
坂牧 あれは締め飼いをしていた2歳魚なんですけど、夏の間ハウスで飼っていたところに金太郎さんが来てほんの数本、500本ぐらいいる中から3本ぐらいかな、買ってもらった中の1本で、それでそのままうちで飼育して、秋ぐらいに金太郎さんに送って仕上げてくれて。
―金太郎さんの目利きと坂牧さんの飼育技術で成し得た大賞ですね。2歳で泉水で締めて飼うというのは多いんですか。
坂牧 前は1000本とかやってましたけど、最近は少なくなってだいたい何百本とかです。去年は出来が悪かったので、今はハウスに100本ぐらいで、あとは野池で500本ちょっと。気持ち的に野池には良いのを放したくなってしまうんですよね。
―以前の取材でも話していたように、締め飼いは早くから取り組まれていたそうで。
坂牧 親父の代からずっとやっていました。昔は締め飼いをやっているところはあまり多くなかったので、鯉は野池で大きくするもんだと馬鹿にされることも多かったみたいで。うちの親父は先を見てやっていたかわからないですが、今はみんなやっていますよね。
―その飼育技術が今の坂牧さんの強みにつながっていることは間違いないかと思います。野池と泉水で分けるのはサイズのバリエーションを持たせるために?
坂牧 そうですね。2歳でもある程度サイズにばらつきがあったほうが、お客さんの要望にも応えられるので。
(後編に続く)




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