第2回養鯉業インターンシップ
錦鯉と触れ合い後継者の育成へ

 新潟県内の学生に錦鯉の魅力や養鯉業について知ってもらうことを目的に、長岡市と長岡市錦鯉養殖組合が共催する「養鯉業インターンシップ」が5月22日㈭、同市の山古志支所で開催された。
 本インターンシップは昨年からスタートし、5月から9月にかけて全4日間の日程で実施される。
 初回となったこの日は、国際ペットワールド専門学校(新潟市)と、長岡農業高校(長岡市)の学生12名が参加した。
 午前中はオリエンテーションとして、同組合の田中誠理事長(㈱錦鯉新潟ダイレクト)による歓迎の挨拶から始まり、その後、錦鯉の歴史や文化、生産者の一年の仕事内容について座学が行われた。
 午後は小雨がぱらつくあいにくの天気となったが、錦鯉の放流体験が実施された。冬の間、越冬池で飼育されていた錦鯉を山古志の種苧原にある観光野池へ移すため、学生らは胴長を着用し暴れる錦鯉に手こずりながらも網やマルチネットを使って捕獲。トラックで観光野池に運ばれた後、9月に実施される池上げ体験に向け、1匹ずつ丁寧に放流された。
 学生らは間近で錦鯉に触れることでその迫力に圧倒されつつも、なかなかできない体験を通じて、模様や品種の違い、体のつくりなどを学ぶ貴重な機会となった。

暴れる錦鯉に四苦八苦しながら捕獲

学生らが協力して越冬池から錦鯉をあげていく

 6月と7月中旬に予定されている次回以降のプログラムでは、実際に錦鯉の生産現場を体験するため、同組合に所属する養鯉場での養鯉業体験が予定されている。
 新潟県内では生産者の高齢化による廃業も多く、新たな担い手の確保が重要な課題となっている。錦鯉発祥の地であり、バラエティ豊かな多品種生産で知られる新潟。若手の生産者が増えていくことで、そういった錦鯉の魅力を守っていくことに繋がる。
 長岡市農水産政策課水産係の荒木主任は、「年々、長岡市錦鯉養殖組合の組合員数が減少しているなかで、錦鯉発祥の地としてのブランドを守っていかなければいけない。養鯉業インターンシップを通じて、まずは錦鯉や養鯉業に興味を持ってもらい、その中から新たな担い手が生まれてほしい」と語った。

座学では錦鯉の歴史や文化を紹介

長岡農業高校の学生ら
国際ペットワールド専門学校の学生ら

錦鯉を観光野池へ放流