菊地春福さん(神奈川)

錦鯉が好きで55年
「あと2年」目標へ全力

今年3月の全国若鯉品評会において、55年におよぶ自身の錦鯉飼育キャリアで初の国魚賞を受賞した菊地春福さん(88)。かつては「生田銘鯉」として振興会に加盟していた経歴をもつ。最大の目標である関東地区大会への意気込み、そして区切りとする90歳にあと2年と迫ったこれまでの鯉人生を振り返ってもらった。

第41回錦鯉全国若鯉品評会 18部国魚賞
(作出/谷口養鯉場 取次/㈲丸敏養魚場)

始まりは小林昭和の全盛期

立て鯉を買って成長を見たい

―国魚賞が初めてというのは意外でした。
菊地 種別は取ってるんですよ。もう何十年前になるかな、並木さん(並木養魚場)の五色で。
―錦鯉を飼い始めたのはいつ頃ですか。
菊地 もともと釣りが好きで、釣堀にも行ってたんだけど、そこで黒い鯉を買ってきたのが一番最初。錦鯉はそのあと、32〜33歳のときからだからもう55年ぐらいですね。うちの会社(菊地電気㈲)の元請け(電元社トーア㈱)に、大平由雄さん(錦鯉の大由/振興会元事務局長)の弟さんが働いていたのがきっかけで、新潟に買いに行くようになりました。当時は小林昭和が全盛で。だから今でも昭和が一番好きですよ。
 新潟に行くようになってから100坪の土地を買って、家を建てる前にそこに30トンの池を先に作っちゃった。それからまた30坪の土地を買って、それが今の池です。
―そのときはまだ生田銘鯉ではないですよね。
菊地 そうですね。ただ生田銘鯉というのは趣味の延長だから、他の人に鯉を売ることもなかったんですよ。振興会に一時入って、鯉屋をやろうかと思ったこともあったんですが、私は電気関係の技術屋ですから、二足のわらじは難しくてね。
―会社(菊地電気)を作ったのはいつなんですか?
菊地 23歳ぐらいで電元社に下請けとして入って、それから同じ敷地でずっとやってます。そこから数えると65年ですよ。登記した正規の創立からは今年で58年で、あと2年、90歳で60周年記念。元気でいれば盛大にやりたいと思うけど(笑)