Q:カラムナリス症はどんな病気でしょうか。

A:本症はFlavobacterium columnareという細菌による感染症です。水温18℃以上で発生し、鰓・鰭・皮膚・口などに症状が現れます。症状としては、鰭では裂けたり、腐食したりします。鰓では粘液の分泌が激しくなり、部分的に欠損します(画像①)。口部では周囲に発赤が見られ、重篤な場合は欠損する例もあります。体表で発症した場合は、まず患部の周囲に発赤が見られ、徐々に粘膜が剥がれて、体色にむらが生じます(画像②)。

 発症部位ごとに症状が違うように見えるため、鰓に症状が見られた場合を「鰓腐れ」または「鰓病」、口に症状が出た場合は「口腐れ」、鰭の場合を「鰭腐れ」とか「尾腐れ」と呼ぶことがあります。病状が進行すると、いずれの場合も摂餌量が低下して、泳ぎが緩慢になります。とくに鰓に症状が見られる場合は、死に至る可能性が高くなるため、迅速な治療が必要です。

 対策としては抗菌剤を含む薬剤の投与が有効です。本菌は低塩分濃度を好むので、0・5%の塩水浴を併用すると有効とされています。

(画像①)
(画像②)

Q:毛仔にマッシュを与えると食べ残しが多いと思いますが、それはミジンコの餌になりますか。また、米ぬかは毛仔やミジンコの餌になりますか。

A:ミジンコは植物プランクトンやワムシなどを餌としています。植物プランクトンはグリーンウォーター(青水)の原因となるような微生物です。そのため、マッシュ(粉餌)や米ぬかはミジンコの餌としては適しておりません。ただし、これらを撒くことによってミジンコの餌である植物プランクトンやワムシが発生し、それによってミジンコが増殖することはあります。ミジンコを沸かせるために鶏糞を撒くと思いますが、これも鶏糞自体が餌となるのではなく、鶏糞はミジンコの餌を増やす役割をしており、それと同じ原理になります。

 毛仔は米ぬかを食べますが、足りない栄養素も多いため、ミジンコなどの生物飼料を用いたほうが歩留まりも高くなると思います。マッシュに関しても、米ぬかよりも栄養成分的には優れていると思いますが、生物飼料のほうが良いことが多いようです。

Q:鯉は夜に睡眠をとるのでしょうか。真夏の日中は水温が高すぎるので、少しでも涼しい時間帯に餌をやりたいのですが、夜に寝るとしたらその時間に食べさせるのはよくないですか? ちなみに水道水なので、注水してもほとんど水温は下がりません。

A:以前、魚の睡眠についてはお話ししましたが、我々ヒトと同じように横になって寝ることはありません。魚の場合、魚種にもよりますがゆっくり泳いだり、物陰に隠れたりして眠ります。ちなみに、瞼はないので目は開けたままです。

 コイは昼行性なので、夜になると動きがゆっくりになり、不活発になります。我々もそうですが、寝ていても食べたものは消化できるので問題ないですが、夜になると水温が下がる場合があります。魚の消化システムは水温に大きく影響を受け、コイでは水温が高いほうが活発になり、低いと不活発になります。

 よくあるトラブルとして、まだ水温の高い夕方にたくさん餌を与え(水温が高いと活性も高いのでよく食べる)、夜に急激に冷え込むと大量の餌を消化できないため体調を崩します。特に春や秋は、昼夜の温度差が激しい場合があるので注意が必要です。Mさんの場合は水温が下がらないということなので、その心配はないと思います。