―イカラシプロダクツが作る検寸器の特徴を教えて下さい。
西原 一般的な検寸器は樹脂で作られているため、経年劣化や熱などで曲がってしまうことがあるそうですが、弊社で作っているものはアルミ製になりますので比較的耐久性は高く、シルバーとブラックの2色を販売しているんですが、特にブラックのほうはアルマイト加工といって、人工的に酸化皮膜を生成させる表面処理を行っているので傷がつきにくく、耐食性や耐摩耗性に優れています。
 また鯉が傷つかないよう、切り口の縁に沿って樹脂製のガードを付けているので、人間も怪我をしにくい工夫を施し、安心して使っていただける製品となっています。
―色はシルバーとブラックの2種類があるんですね。
西原 実際に生産者さんに使ってもらうなかで、目盛りが見にくいという声が多くあったので、黒の地体に白い目盛りをつけることで視認性を向上させ、見やすさと格好良さを兼ね備えています。
 それに、目盛りの部分はレーザー加工で刻印しているので、長年使用しても色が薄くなりにくいので、長く使えるといった特徴もあります。

品評会出展時のブース。右が検寸器で左が給餌器のホルダー

シルバーとブラックそれぞれ3つのサイズを販売。
今後サイズの変更も検討しているという
検寸器への刻印作業

―こちらはオリジナルのロゴなども入れられるそうで。
西原 そうですね。デザインによっては難しい場合もありますが、基本的にどのようなデザインでも刻印することができるので、名前やロゴなどオリジナル商品を制作することも可能です。ただ、ブラックのほうは先ほど言ったようにアルマイト加工を施す必要があるので、少し時間がかかってしまいます。
―サイズはいくつかあるんでしょうか?
西原 大・中・小と3パターンの大きさがありまして、幼魚品評会で紹介させていただいたのは、86㎝・62㎝・52㎝のものになります。ですが、こちらも給餌器と同様に一般的に使われている「サミットの丸桶」以外に様々なサイズや形の桶など、たくさんの種類がありますので、実際に皆さんに使ってもらいながらフィードバックをいただき、誰でも使いやすいサイズに改良していこうと考えています。

県内の多くの生産者で使われている検寸器(高達養鯉場)

―国際幼魚品評会での反響は大きかったのでは。
西原 そうですね。ああやって公の場所でPRしたのは初めてで、うちの製品を売り込むお試しの場として参加せてもらいました。山古志では皆さんに認知されるようになりましたが、山古志から出るとまだまだ無名な会社なので、こういった機会を通じて多くの方に知ってもらうことができました。
 それに、それまで鯉屋さんから注文は頂いたことはあるけど、実際に顔を見たことない人がたくさんいましたので、話をする場としても出展してよかったです。
―実際に業者と話をする中で、オリジナルでこういった製品を作って欲しいなどの要望があったりも?
西原 そうですね。鯉屋さんはアイディアマンの方がたくさんいらっしゃるので要望は多いですし、意見をいただきながら新たな商品づくりのヒントを得ています。
―なるほど。現場の声に寄り添ったモノづくりを。
西原 いろいろな案件をいただけることは大変ありがたいのですが、現在3人でやっているため人手が限られるので、やりたくてもできないことが多くて……。オリジナルを作りたいという注文をいただいてもすぐに対応できないなど、歯がゆさを感じています。ですので、まずは検寸器や給餌器ホルダーなど、現在販売している商品を知って、使ってもらうことに注力しています。
―最近では、多くの鯉屋でイカラシさんの検寸器を見かけるようになりましたね。
西原 ありがたいことに、県内の多くの鯉屋さんに使っていただけるようになりました。私は製造のほか営業も担当していますので、何かご意見がありましたら、ぜひお気軽にご連絡下さい。
―地域に密着したモノづくりで、新たな製品の開発を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

様々な工具や部品が所狭しと置かれた事務所
数多くの機械が並ぶ作業場