愛好家インタビュー 大河原 勝さん(新潟)

錦鯉との庭づくりは10年目に
「和み」をもたらす庭と池

 新潟県五泉市はその名の通り豊かな湧水に恵まれ、南東部にそびえる菅名岳は四季折々に姿を変え美しい稜線を望むことができる。そんなこの地に見事な庭園と池を構える愛好家がいる。
 家と庭、そして池を一体として築き上げてから10年。菅名岳を借景に清らかな地下水が絶え間なく流れる庭池には、大河原さんが水と緑に寄り添いながら育んできた、「和み」という名の豊かな時間が広がっていた。

右から大河原勝さん、甥の七里雄志さん、平澤和久さん(㈱アクアリゾート)、鯉友の佐々木裕史さん、大河原夫人

「石」「庭木」そして「錦鯉」

五泉の良質な水にも恵まれ

―愛好家さんの庭とは思えないほど立派な庭園が広がっていますね。細部のこだわりが伺えますが、いつ頃作られたんでしょうか。
大河原 2014年に家と一緒に作ったのでだいたい10年ぐらい前になります。ここは実家なんですけど、私は25歳で起業してから会社の事務所の上でずっと生活をしていたので、親とは別々に住んでいたんです。それで、10年ほど前に一緒に暮らすために戻ってきて、家と庭と池を作りました。
―お父さんがもともと池で錦鯉を飼っていたりしてたわけですか。
大河原 祖父母は庭が好きだったので植栽はありましたが、池はありませんでしたね。
―実家に戻ってきたタイミングで池を作ろうとなったわけですが、錦鯉の飼育はそれ以前からやられていたんですか?
大河原 いや、それが全くの素人で。ここに家を建てる数年前から石はけっこう集めていまして、庭に置いてある石のほとんどが川石なんですけど、知り合いの方が庭をやめるということで、うちの会社は運送屋ですので大小300個以上の石を運んできまして。これまで石の勉強もしてきましたし、庭木の勉強もしてきましたが、そうすると最後は何かというとやっぱり「錦鯉」だと。いろいろな知恵をあちこちの人から聞いて錦鯉の勉強をしながら、池というものはこういうふうに作るんだ、そして濾過槽はこういうふうに……なるほどなるほど、という感じで最初は品種もわからなかったですから。
―そういった知恵が生かされた池ですが、水量はどれぐらいあるんですか?
大河原 濾過槽を入れて50トンぐらいあります。一番深いところで1・8m、浅いところで80㎝ぐらいありますが、もう少し深くしたかったという思いはありますね。もう一度作るなら3mにしたいです。広さはあるから鯉は大きくなるとは思うんだけど、外の環境ということを考えると、やっぱり深さは必要かなと。