ブリーダーズインタビュー
坂牧養鯉場 坂牧 公和さん(新潟)

相乗効果もたらす世代の厚み

次代を担う、ライバルと〈後編〉

 県内でも豪雪地帯として知られる新潟県長岡市の種苧原地区で、唯一の生産者として55年の歴史を持つ坂牧養鯉場。自然豊かな山々が広がり、その環境の良さに関東圏を中心とする数多くの業者や愛好家が野池を借りにくるほど。

 以前インタビューを行った2015年は、大日養鯉場㈱で5年修業し卒業したばかりの2代目公和さんが、ちょうど家業に入ったタイミングであった。あれから9年が経過し、その経験が今では地元長岡をはじめ、県大会や全国大会で多くの実績につながっており、多くの若手が台頭するなかで目覚ましい活躍を見せている。

大日の経験生かした鯉作りを

金昭和を昭和に次ぐ主力品種へ

―坂牧さんは5年ほど大日さんにいましたけど、どういった経緯で修業するようになったんですか。

坂牧 うちは親父の代から鯉を始めましたけど、自分はそこまで鯉は好きではなかったので、学校を卒業してからは別の仕事に就いたんです。それで、その仕事を辞めてからちょっと家の手伝いとかしながら過ごしていたら、澤田さん(錦鯉澤田)から大日さんを紹介してやるよと言われたんですが、最初は全然やりたくなかったんです(笑)。ですが、大日さんで働き始めて鯉が好きになりましたし、面白いと思うようになって、5年ほど修業させてもらいました。