JPD 夢の泉水池プロジェクト日本動物薬品㈱・𠮷田隆一さん

30トン池で目指す大型化と上位入賞

実環境からJPD製品開発の後押しも〈前編〉

 日本動物薬品㈱(JPD)の社長であり、熱心な錦鯉愛好家としても知られる吉田隆一さん。吉田さんの従来の飼育池については本誌でもたびたび紹介してきたが、昨年夏に本格的な30トン池が竣工。そしてこのほど、同社販売の自動給餌器を取り付け、養鯉業者に預けていた鯉の大半を放流したことで、本当の意味での完成を迎えた。
 今後は飼育、そして品評会出品にますます力が入るとともに、日本動物薬品㈱の商品開発における実地試験場としての役割も担うことになる。吉田さんの熱い口調からは、随所に見られるこだわりの先にある、目指しているものが見えてきた。

 池の大きさは7m×3・5m、深さ1・5m(水面は1・2m)のブロック造りで、水量は約30トン。屋外池だが半分ほどは屋根に覆われており、直射日光を避けられるほか、雨天時の観賞や作業のしやすさなどを考慮していることがうかがえる。濾過槽や水路は木板で覆い、ウッドデッキとの一体感を演出。客間からは池を正面に眺めることができ、実際にこの部屋を利用した外国人からは大変好評だったという。
 黒く塗られた池の側面には、日本動物薬品㈱のロゴマークが映える。また、2台の湧清水も筐体の劣化防止を主目的とした黒塗装が施されており、吉田さんの愛鯉池であると同時に、同社の「看板池」としての役割を連想させる。
 循環は、20㎝ほどの傾斜がついた池底の最も低い部分から濾過槽へ。続いて2台の湧清水20型で処理したあと、池を半周する長い水路を通って、2か所の吐水口から穏やかに池に注がれる。池の最深部の1か所は排水枡にも通じており、濾過槽の底水もこの枡から、それぞれ1日2回排水している。