読者相談室6

Q:目玉が飛び出たようになるのは何かの病気でしょうか?(青森県・Sさん)

A:水温や飼育環境がわからないため、あくまで推測になりますが、運動性エロモナス症の可能性が高いと考えられます。本症はAeromonas hydrophilaという細菌の感染によって発症します。この細菌の至適温度(最も活発になる温度)は22~28℃であるため、低水温期を除けば周年発生する可能性があります。
 主な症状としては、眼球突出のほか、腹水貯留による腹部膨満、立鱗、体表の出血などの外見上の異常が見られます。また、本症は日和見感染症(通常は病気を起こさないような病原体が、魚の抵抗力が低下した際に感染して発症する病気)として知られており、昼夜の寒暖差が大きい春や秋に特に多く発生します。
 暖かい時期に発生した場合は眼球突出や立鱗が主症状となることから「マツカサ病」と呼ばれ、比較的低水温の時期に発生した場合は、体表の出血が主症状となるため「赤斑病」と呼ばれることもあります。本症は日和見感染症であるため、日頃からの適切な飼育管理による予防が重要です。万が一発症した場合には、抗菌剤を有効成分とする薬剤を用いて治療してください。

Q:梅雨時期にウロコが1〜2枚立って赤くなる魚がいます。エルバージュの粉を指で擦り込みますがなかなか治りません。対処方法はありますか。(茨城県・Yさん)

Q:毎年6月頃になると同じ魚、同じ箇所が病気になります。横腹あたりの炎症、脱鱗です。考えられる原因は?(千葉県・Hさん)

A:同じ症例と思われますので、まとめて回答します。いずれも穴あき病の可能性が高いと考えられます。穴あき病は、一度治癒しても同じ部位で再発することが少なくありません。その理由は明らかになっていませんが、体表の擦れやすい部位であることや、病原体が潜伏感染していることなどが原因として考えられます。
 穴あき病の原因細菌であるAeromonas salmonicidaには薬剤耐性株が多く存在することが知られており、エルバージュの有効成分であるニフルスチレン酸ナトリウムに対する耐性も報告されています。そのため、エルバージュによる治療効果が認められない場合は、ニフルスチレン酸ナトリウム以外の有効成分(オキソリン酸やニトロフラゾンなど)を含む動物用医薬品を使用することをお勧めします。

Q:1トンの池で当歳から大型まで40匹くらい飼っています。水の泡立ち対策を教えてください。水が減ったぶん注水はしています。(長野県・Mさん)

A:大型魚と小型魚の割合がわからないため一概には言えないものの、飼育密度がずいぶん高いように思われます。おそらく現在の飼育密度では、給餌量をかなり減らしたとしても、特に水温の高い時期には泡立ちを抑えることは難しいと考えられます。実際には難しい面もあるかもしれませんが、泡立ちの改善や水質維持のためにも、飼育密度を下げることを検討してみてはいかがでしょうか。

※安本先生への質問はページ下部の「お問い合わせ」よりお送りください。なお、病気に関するご相談の際は、発生時期、水温、飼育密度、魚の大きさ、症状など、そのときの飼育状況をできるだけ詳しく記載していただくことで、より適切な回答や正確な診断につながります。