拓朗錦鯉セミナー/講師:大菊拓朗(横浜錦鯉)

見沼五色の変化を追う

 2025年10月に開催した錦鯉セミナー「見沼五色編」です。今回は鯉の見沼さんの五色の変化の過程について、当店で販売した鯉を題材に勉強していきます。当日は和田憲一社長にご来店いただき、五色を選ぶ際のポイントについても解説していただきました。(大菊)

大菊拓朗さんと鯉の見沼・和田憲一さん

―見沼さんは二代目で、お父さんのときは昭和をメインに扱っていて、どちらかというと生産者よりも流通業者でした。憲ちゃん(和田憲一さん)の代になってから本格的に生産を始めて、そのメインとなったのが五色です。それ以来ずっと看板鯉として、今では見沼と言えば五色、五色と言えば見沼と言われるくらい注目度の高い生産者になりました。弟の力樹ちゃんと二人三脚で一生懸命生産に励んでいます。今年も良い鯉ができたそうですので、皆さん楽しみにお待ちいただければと思います。
 まず最初の鯉は当歳で、春のときの姿です(①―A)。前年の秋に上がったときは紅白みたいな感じで、地体がまだほとんど出ていませんでした。これはひと冬タタキで飼って、私が春に買いに行って分けてもらった鯉です。まだそれほど濃くはないですが、五色地が出ています。
 これを2年立てると、3歳でこのようになりました(①―B)。だいぶ変わりましたが同じ鯉です。全体的にグレー地が出てきましたね。
 そしてこれをもう1年野池で飼って、4歳がこれです(①―C)。泥池から上がったばかりなのでちょっと地が抜けています。泥池に入れると白っぽくなるような感じですね。このように五色の地体は環境によって結構変化します。憲ちゃんはよく知ってると思いますけど、タタキに入れておけば黙っていても地が出てくると言われたりします。
 ①の鯉は、緋盤が五色独特の蛍光紅をしており、黒っぽく汚れていない……そういう洗練された部類の五色になると思います。この特徴を固定できたのは、おそらく見沼さんが一番最初ではないでしょうか。昔は紅に、衣のような藍が吹くものが多かったのですが、今はどちらかというと緋盤を汚さないほうが価値があるとされていて、このタイプが主流になってきています。これを固定するのは、見沼さんもだいぶ苦労したと思います。

1-A(25㎝)
1-B(57㎝)

1-C(60㎝)